近年、電気自動車の開発が加速しており、2030年には、約半分の車が電気自動車になるといわれています。電気自動車といえば、電気を利用して走るイメージがありますが、今回は、電気自動車などの電気を利用するシステムであるV2Hスタンドや、V2Hスタンドを注文住宅に設置するメリットやデメリットを解説します。
V2Hスタンドの基本的な説明と機能
まず、こちらでは、V2Hスタンドについて知らない方のために、基本的な説明や機能について、解説します。V2Hは、バッテリー式の電気自動車と家を繋ぐことで、電気やり取りができるようになるシステムを指しています。こちらのシステムを活用することで、家からの電気を電気自動車に送れたり、反対に電気自動車の電気を家から送れたりするため、使い勝手がよい点が挙げられます。
太陽光発電システムと一緒に導入するのがおすすめ
V2Hスタンドは、単体でも設置可能であり、利用することもできます。しかし、こちらのスタンドだけでは、発電・蓄電する機能が備わっていないため、電気自動車で余った電力を家で使用する利用価値しかなく、大きな節電効果はあまり見込めません。
それだけだともったいないと感じる方におすすめなのが、太陽光発電システムとの併用です。太陽光発電システムを導入すれば、V2Hを通じて、自然エネルギーを電気自動車の充電に利用できるとともに、余った電力は売電可能となります。このような理由から、V2Hスタンドと太陽光発電システムを一緒に導入するケースが多くなっているのが現状となっています。
V2Hスタンドのメリットと活用方法
こちらでは、実際にV2Hスタンドを利用することで、どのようなメリットがあるのか解説します。活用方法なども同時に紹介するので、ぜひ今後の参考にしてみましょう。
非常時の電源として利用できる
V2Hスタンドを利用すれば、電気自動車を蓄電池として活用できるのも大きなメリットとなります。近年発売されている電気自動車のバッテリーは、家庭用蓄電池よりも容量が大きいため、非常時の電源としても大活躍できること間違いなしです。そのため、蓄電池を導入する代わりにV2Hと電気自動車を導入するのもひとつの方法といえます。
ガソリンスタンドに行く手間が省ける
電気自動車であれば、自宅で充電が可能になるため、給油目的で、ガソリンスタンドに向かう必要が無くなるのも大きなメリットです。ガソリンスタンドに行く時間と手間を大幅に省けて、非常に便利だという意見が電気自動車のユーザーを中心に話題となっています。
電気料金プランを活用して、お得に電気が使える
電力会社によっては、夜間に電気料金が安くなるなどのさまざまな料金プランを用意している場合があります。そちらのプランをうまく活用するために、おすすめなのがV2Hです。夜間の料金が安い時間帯に電気自動車に充電させた電気を料金が高い時間帯に家に送って使用できれば、月々の電気代が抑えられます。近年、電気代が高騰している中で、こちらの方法をうまく活用できれば、家計の負担を軽減できること間違いなしといえるでしょう。
V2Hスタンドのデメリットと注意点
上記では、V2Hスタンドのメリットや活用方法を紹介しましたが、残念ながら、デメリットも存在しています。こちらでは、そんなデメリットや注意点について解説します。
導入費用がかかる
V2Hスタンドのデメリットとして挙げられるのは、導入費用が高い点です。V2Hは、まだまだ普及が進んでいないこともあり、コストが高くなっているのが現状となっています。
また、普及が進まなくなった理由のひとつとして、補助金制度が終了した点も挙げられます。去年までは、V2Hスタンドを導入するために補助金が募集されていましたが、現在では受け付けが終了してしまっているのも、普及が進まなくなってしまっている理由といえます。
V2Hスタンドは、工事費を含めると、150万円ほどの費用といわれているため、導入費用を回収するためには、長い年月を要するのも、注意点のひとつです。そのため、住宅メーカーなどにV2Hスタンドをおすすめされた際は、すぐに導入せずに、自分の生活スタイルに合っているのか、導入費用の回収ができるのかを、きちんとシミュレーションしておくことが大切といえます。
まとめ
今回は、V2Hスタンドを注文住宅に設置するメリット・デメリットを中心に解説しました。V2Hスタンドは、近年の新しい生活スタイルとして、ニュースでも取り上げられるほど、話題になってきています。インフレにより、電気代が高騰していることもあり、V2Hスタンドは、家計の救世主になってくれる存在かもしれません。しかし、導入によるさまざまなメリットが発生するのも事実である反面、それと同時に上記でも説明したデメリットも存在しています。そのため、今後V2Hスタンドの導入を検討している方は、導入することで、自分の生活スタイルがよりよいものになるのかを十分に考えていくことが重要となります。