注文住宅を建てたいと思っても、実際にどのくらいの費用がかかるのかは気になるところです。建物の大きさ、設備や仕様のグレードによって総額は大きく変わります。ハウスメーカーや工務店によっても価格は異なるため、事前に目安を知っておくことで安心につながるでしょう。本記事では、注文住宅の費用相場や予算の立て方について紹介します。
費用の内訳を知って安心の家づくりを
注文住宅を建てるときには、建物の工事費用だけでなく、土地の購入や各種手続きに必要な費用もかかります。費用の内訳をあらかじめ理解しておくことで、予算の組み立てをしやすくしましょう。
土地を購入するために必要な費用
土地を購入する場合は、代金そのものに加えて仲介手数料や印紙税などの諸経費がかかります。支払いは手付金や残代金に分かれており、諸費用は総額の6〜10%程度を想定しておくと安心です。
土地代金だけを考えるのではなく、購入時に必要な細かな出費まで含めて予算を組むことが大切です。
家を建てるための工事費用
建築費用は、大きく「本体工事費」と「別途工事費」に分かれます。とくに本体工事費は、注文住宅全体の費用の約70〜80%を占める重要な部分です。
残りの別途工事費には、外構や照明、カーテンなどが含まれるため、見積もりを確認するときは両方の費用をしっかり把握しておくことが必要です。
工事以外にもかかる諸費用
住宅を購入するときには、工事費用以外にもさまざまな経費が発生します。不動産取得税や登録免許税、住宅ローンを利用する場合の手数料などが代表的です。これらはまとまると大きな金額になるため、建築費や土地代だけでなく諸費用の分まで資金計画に組み込むことが重要です。
注文住宅 の相場はいくら?全国平均と地域ごとの目安
注文住宅を建てたいと思ったときに、最初に気になるのが「どのくらい費用がかかるのか」という点です。実際には地域や建てる家の広さ、仕様によって金額は変わりますが、全国平均の相場を知っておくことで予算のイメージがつかみやすくなります。ここでは注文住宅の相場についてまとめました。
注文住宅の建築費用はどれくらい?
全国的に見ると、注文住宅の平均的な床面積は約125.9㎡で、建築費は土地代を除いた場合でおよそ3,935万円、土地を含めると約5,436万円になります。地域によって差はあるものの、建築費だけでも4,000万円前後を想定しておくと安心です。
ただし、希望するデザインや使用する素材、地域特性によって実際の費用は上下するため、あくまで目安として考えることが大切です。
エリアごとの平均的な広さ
注文住宅の平均床面積は全国で125.9㎡ですが、首都圏・中京圏・近畿圏などの三大都市圏では約134.2㎡と、全国平均よりもやや広めの傾向があります。
都市部は土地代が高いため建築費全体は上がりやすいですが、郊外では土地を広く確保できるため、より大きな住まいを建てるケースも少なくありません。地域の事情を理解して計画を立てることが重要です。
他の住宅と比べたときの費用感
住宅市場動向調査によると、注文住宅の平均建築費(土地込み)は全国で約5,436万円です。一方で、分譲戸建ては約4,214万円、分譲マンションは約5,279万円、中古戸建ては約3,340万円、中古マンションは約2,941万円とされています。
注文住宅は土地費用を含むためもっとも高額ですが、その分自由度が高く理想の家づくりが可能です。費用差を理解し、自分に合った住まいを選ぶ参考にすると良いでしょう。
注文住宅の予算はどう決める?無理なく建てるためのポイント
注文住宅を建てるときに一番大切なのは、理想と現実のバランスをとりながら予算を決めることです。ここでは、予算を立てる際に押さえておきたい基本の考え方を紹介します。
家族の暮らし方に合わせた広さを考える
家の広さや部屋数は、家族構成やライフスタイルに大きく左右されます。たとえば子どもがいる家庭では個室や収納が多めに必要ですし、共働き世帯なら在宅ワーク用のスペースを検討するのも良いでしょう。
予算を立てる際は、現在だけでなく将来の変化も見据え、必要な床面積を想定することが大切です。
庭や駐車場も忘れずに
建物だけでなく、屋外の空間も暮らしに直結します。車を持つなら駐車場の確保は必須ですし、庭があれば子どもの遊び場や家庭菜園として活用できます。
こうした外構工事は後回しにされがちですが、予算に含めておかないと後で追加費用が膨らむこともあるでしょう。建物と一緒に外構費用も計算しておいてください。
エリア選びで費用は大きく変わる
同じ家を建てる場合でも、建築する場所によって土地代が大きく異なります。都市部は便利ですが土地価格が高く、郊外は広い土地を確保しやすい反面、交通アクセスや生活環境をよく確認する必要があります。
理想の暮らしに合ったエリアを選び、土地代込みの予算を考えることが重要です。
無理のない住宅ローンを組む
住宅ローンは年収や年齢を考慮して、返済に無理のない範囲で計画することが大切です。一般的に返済期間は35年が多いですが、老後の生活も見据えて無理のない返済額に設定しましょう。
毎月の支払いが家計を圧迫しないよう、ボーナス返済や金利の種類も含めて検討することが安心につながります。
まとめ
注文住宅を建てるには、土地代や建築費、諸費用といった内訳を正しく理解し、全体の資金計画を立てることが大切です。全国平均の相場を知っておくことで、予算の目安がつかみやすくなり、地域ごとの特徴も踏まえて現実的な計画ができます。また、家族構成や暮らし方に合った間取りや広さを考え、無理のない住宅ローンを設定することが、長く安心して暮らす家づくりにつながります。相場を知りつつ、自分に合った予算を組むことが理想の住まいを実現する第一歩です。